かたちあるもの


マグカップを割ってしまった。
それは数年前、妹が母の誕生日に送ったもので、
少し変わった形の――取っ手がハート型――カップだった。
自分のものならば、
壊してしまった時は悲しく悔しいもので、
けれど他の人のものだった場合、そのどちらも無い。
その代わり、とても申し訳なかった。
輸入雑貨店で悩んでそれを購入し贈った妹の気持ちと、
有り難くなくなってきた誕生日にそれを贈られた母の気持ち、
どちらも砕いてしまったと。


形あるものはいつか壊れてしまって、
ならば形の無いものなら永遠なのかと考えていた。
形の無いものはもとより存在すら曖昧で、
壊れたかどうかなんて誰にも見極められないのに。


…あー駄目だ続かないから尻切れトンボ!(笑