あのさぁ。


教育再生会議?緊急提言?ハァ?
…って感じなのですが。
今更何を言っているのか、というのと、
どう頑張ってもいじめが無くなることは有り得ない、というのと。


まず。昔からいじめっていくらでもあったはずで、
公にはゼロらしいですけど自殺する子供だってたくさんいたはず。
大人だって散々自分で死ぬでしょう、
きちんとした数字はわかりませんが20代30代の死因の上位ですよ毎年。
それだけ世の中苦しいなと思う人が多くいて、
大人すら耐えられないのに子供なら尚更。
僕は自殺する人間を弱いだなんて言いませんし
「死ぬ勇気があるなら生きられる筈だ、自殺する奴は馬鹿だ」なんて
そんなことを言える人間は最低だと思っています。
どうして生きるのをやめるのか。
どうして生きていたいと思わなくなったのか。
嬉しい事や楽しい事の全てを諦めて
悲しい事や辛い事の全てを投げ出して
そしてきっと泣くだろう周りの人間すべてを見捨ててまで
死を選ぶ人たちの苦しさが誰に理解出来るだろう。
ほんの少しでも、手を差し伸べる人はいなかったのか。
或いは差し伸べられた手を跳ね除けてでも生きたくないと
思わせるだけの何かがあったのか。
誰も、助けられなかったのか。
いつ、どこで、どうしていたら
その人は生きようと思い直すことが出来たのか。
死ぬ以外に道が無いと、
そう思うよりも前に気付かなくてはいけなかった。
誰が?…家族が、友人が、僕や、あなたが。
誰かを喪って、後悔や悲しさを積み上げて生きてきた人がたくさんいて
今までそれを無視して笑っていた人間が
何を、言っているのか。
一朝一夕で書き上げた紙ッペらでどうこう出来るだなんて
独り善がりもよいところでしょう。
大人はみんなそう。形式ばかり気にして中身は求めない。


次に。なんでいじめが起きるのかという話。
「いじめられる側が悪い」という言い方は
絶対に、してはいけない。
確かに、ありますよ。きっかけとしては。
クラス全員を敵に回すような言動をする人、確かにいます。
でも。何が言いたいかって。
「嫌う」ことと「いじめる」ことは違う。絶対に。
で、最近の事例を(って言っても僕は現場でいじめを見てませんから
世間から聞こえてくる話や想像を膨らましたにすぎませんが)見ると、
いじめられる側に原因なんて無い、というか関係無いように思います。
そして、そうであることが不思議ではないとも。
人には自我があって、個性があって、
自分と違うものは羨ましくもあり妬ましくもあり。
分野ごとに能力を比べればやっぱり優劣があって、
競争は諍いも産むし誰でも自分が勝者でありたいと願う。
本当はそんなものに人の価値を決められはしない。
というか価値なんて言葉を人に求めるのは奇妙な話で。
なのにやっぱり変なところで学歴とか器量とか求められるし、
ストレスも溜まります。
どうやって発散するのか。
自然と、弱者(と、勝手に思い込んだ標的)にぶつけようと、思うでしょう。
典型的な話ですが、
会社で上司から謂れの無い批判を受けた夫が
家に帰って妻に当り散らして
夫に対抗できない妻は子供を虐待する。
…つまりそういうことで、
人は誰でも上に立ちたいし、下に見られるのが嫌で、
自分より下(に見てるだけです。上下なんて、驕りにすぎない)の存在がいないと
落ち着いていられない。
力で押さえつけて無理矢理踏みにじって
そうして自分の存在を確固たるものにしたい。
誰でもいいんです。
自分の鬱憤を晴らすために、欲を満たす為に、
誰でもいいからスケープゴートを仕立て上げる。
子供の世界だけじゃないでしょう、いじめなんて。
勝ちたい。認められたい。優位に立っていたい。
人がそういう生き物である限り、
いじめはなくなりません。絶対。


「いじめをなくそう」なんて声高に叫ぶよりも
起こったいじめにどう対応すべきか。
「いじめる側」「いじめられる側」双方に必要な対処はなんなのか。
起こる前に止めるのは不可能ですから
死なせないために助けられる手の差し伸べ方を考える。
いじめる側には、いじめることでしか安心できない弱さを
(これが本当の弱さだと僕は思う。
弱い人をいじめるんじゃない、弱い人がいじめるんだと)
どうしたら一人で支えられるようになるのか。
僕は世界中の人間を助けられないし、
教師だってそう、政府だってそう、
いざ誰かが苦しんでいる時誰が助けられるのか。
近くにいる人。最初に気付けた人。
誰かがやるだろうとか
今でなくてもよいだろうとか
悠長な事をいってる暇、無いです。
僕が。僕が助けなくては。
偽善だろうが傲慢だろうが、そんなことは言ってる場合じゃない。
死なせてからでは遅い。
自分に出来るかどうか、そんな風に悩んでる暇があったら。
一言掛けるだけでもいい。
言葉が見つからないなら黙って隣に座ってあげたらいい。
死んだ人はもう、戻ってこない。
苦い後悔なんて知らなくていいから
優しさとか強さとか、そんな下らないもの持ってなくていいから
これ以上、誰も殺さないで。
殺さないで。


(自殺する人がいる限り、生きている全ての人が加害者だ。殺人者だよ。僕だって、)