最近読んだ本。


あそこの席 (幻冬舎文庫)
山田悠介氏の本は、そこまで好きでは無いのに読んでしまう。
リアル鬼ごっこは確かに凄かった。
文章のそれ自体ははっきり言って稚拙だったけれど、
イデアが他とは違うものを持っていると思う。
中身は軽いし文章も3流だと思うんだけど、
都市伝説的な面白さだと思う。
根拠も脈絡も無いんだけどつい気になる、というか。
口裂け女なんて、信じないけれど盛り上がりませんでした?
こうすれば逃げられるんだって!なんて情報交換したり。


本作は一番最近出た文庫本らしかったので購入。
本当は『Aコース』か『Fコース』の予定だったのだけれど延期。
リアル鬼ごっこと比べて文書は読めるレベルになってきたと思う。
(酷い言い様だけれど、本当に稚拙だったので…)
先が読める。学生の目線から読むと不自然な点が多い。
これはちょっと失敗した買い物だったかも、しれない…
このひとつ前に買ったやつの方が僕は好き。↓↓↓



親指さがし (幻冬舎文庫)


まんま、都市伝説なお話。
幽霊とか怪談とか、科学的に解明できていないという意味で「根拠の無い」話の方が、
山田氏の文章は面白い気がする。
そんなに沢山読んだわけではないんですけれどね(苦笑
作り話が本当になり、その噂がまた怪奇を呼ぶ。
リングとか、そういう怖さでしょうか。
わかっているけれど試したくなってしまう好奇心。
読者も怖い怖いと思いつつページを捲る手は止まらない。
純粋にホラーとして楽しめたと思います^^
ただ、上に書いた『あそこの席』も同じなんですけれど、
同じ事がこれからも繰り返されていく…と予感させつつ終わるのは、
何度もやられると萎える。
他の締め方を考えられなかったのかなぁ、と。
まぁこの作品では妥当な終わり方なのかもしれませんが…



エンジェル (集英社文庫)


前回[books]のカテゴリで触れましたが、
『エンジェル』読み終えました。
前半で死んでいる主人公が自分の一生を回想するのですが、
これが長くて丁寧なのでかなり読み手がシンクロさせられます。
読者が主人公になりきったところで現在が進行し始めるので、
本当に引き込まれる。
その割にクライマックスがあっさりしすぎな感じがしてちょっとなぁ。
ハッピーエンドっぽく見えるかもしれないけれど、
実はみんなの不幸が重なってそうなってしまったというか、
誰も報われていないようなそうでないような。
よくよく反芻すると嫌な話にも思えてくる。
嫌いじゃないんだけどな…うーん。
個人的にはトオルとの交流が欲しかった!


解説を読んでいて納得するのですけれど、
石田衣良氏の文章は本当にやさしい。
読んでいて歯痒いほどに、主人公が相手を思い遣る。
しかもその所為で損ばかりしているような気も、したりしなかったり。
僕はあんな風には生きられないし、
そもそもそんな思考は考え付きもしない。
石田氏本人が優しい人なのかな。それとも真逆なのか。
今一番、色々読んでみたい作家です。