答えは出ないけれど、


当たり前のことなんだけど、
誰かが死んだって世界が回りつづけることが不思議だと思う。
人ひとりの大きさなんて微々たる物で、
けれど世界を構成するのは人そのもので。
僕も、大好きな友人たちも、亡くなった彼女も。


たかが十数年しか生きていないのに、
あっけなく逝ってしまう人がいるんだ。
テレビのニュースや、友人から聞くそのまた友人のこと、
知っている筈なのに身近な人となるとまた別なんだなと思う。
顔を、声を、知っている人となると。
さほど近しい間柄ではなかった。
でも、何も思わないほどに遠くもなかった。
どうしてだろうか、
世の中には理不尽なことがたくさんあって、
取り返しのつかない後悔も尽きない。
記憶の中の人はとても朗らかだったように思う。
どうして、


命というものを時々考える。
答えは出ないし、
考えたところで世界も止まらない。
まして遡ることなど絶対に、無い。
やりきれない。
最期に彼女は何を思ったんだろうか。