海へ


いずれ終わる未来なら
来なければいいと願った
明けない夜と朝との狭間の
ほの暗い蒼の世界で


手を伸ばしたらなら
届くんだろうか
簡単に手折られる花のように
掴んで閉じ込めてしまえると?
答えて、


するすると
ほどけるように
のがれてゆく
うみのそこ


置いて行かないでと
願った小さな僕が
足元を撫で掬う波と
彼方をたゆたうように