words

ひとりごと

そうだね、 頷いて微笑んだ あたしの話なんかちっとも聞いちゃあいないんでしょ そうだね、 ほらねやっぱり 電球の色に似せたLEDと傷だらけのフローリングの間 埃っぽい空気の中(最後に換気をしたのはいつだっけ、) 右から左 左から右へ 通り抜けるばかりの…

Re:birth

私が立っているこの場所がどこから始まったのか どこへ続くのか わからないまま 不安なままで 生きてゆけることのしあわせ 夜になれば外は影の世界で 朝が来るまで私の頭は深く溶けたままで こんなにも自由なままで

やさしく、やわらかな

消せない罪 消えない傷 ひとつ残らずこの腕に抱いて 重くても 辛くても きっと歩けるはず 今はまだ 不恰好な足跡でも いつか愛せる日が来るのなら。

kasane

ひどく居心地が悪い 埃に塗れた窓掛けで 継ぎ接ぎの外套を仕立てた ほつれ、綻び。 幾重にも 足許から這い上がる冷たさを 遮ることなどできはしない 目に見えるもの、映らないものも いつしか厚みを増して 纏った 脱ぎ捨てること等、 今でなくともできる そ…

笑劇スーサイド

それは神秘? 噫、なんて美しい! 秘匿され、 隔離され、 あまく濃く醸造された死。 描き上げましょう 飾り上げましょう 最後を 最後を 最期を! 消費されてしまう鼓動? 何一つ、無駄になんて鳴らさない 啼いて奏でて 果ての庭を彩りましょう 憧れを 今。 (…

闇に踊る

薄く重ねるヴェール ほんの少し、ほんの少しずつ遠ざかる世界に 手を伸ばしては そっとそっと覚えてゆく 明日には見えなくなる空を 掠れていなくなってしまう雨を 最後に残るのは きっときっと灯りで もういい、と 投げかけられた言葉は許しか諦めか 抱え込…

スクラップ

時計はアナログがいい 積み重ねてく時間の音がする この一秒一秒を呼吸してること なんでもないことだけど嬉しく思えるから 忘れてしまう今日なら もう来なくてもいいよ 明日もその次もずっと覚えていたいんだ 小さいちいさい脳味噌で どれだけの一瞬を愛せ…

シャイン

手を伸ばせば届くと想ってた いつか、そう、きっといつかは必ず 欲しいと願うものは手に入ると信じてた ああ、なんて世界は 優しくて 残酷で 狂おしいほどに どうして、どうしてこんなにも。 繰り返し夢を視た。 眠るたびに追いついてくる死の足音。 裾を引…

満ちる

冷たい青 透き通る未来 こわいものや、 かなしい夢や、 足りないパーツを埋める あたたかくて、 意地のわるい、 まっすぐに射抜く瞳 離して、 壊して、 愛して、 殺して、 何度も何度も、 この胸が心が引き千切れるまで、 頂戴。 縛った約束 凍りつく未来 広…

袋小路で錯乱!

余所見しないで見てなよ 正しい答えを暴き出してあげる 潔くそこで待ってなよ 無様な面なんて見たくないからさぁ 欲しい物は欲しいって言わなきゃ一生掴めないんだ知ってた? うじうじ躊躇って迷って諦めた瞬間に全部あたしが掻っ攫ってくから覚悟しな! 黙…

それでも

愛していると呟いたなら 夜の水面は揺れるでしょうか、 広がる波紋は朝日を呼んで 君の許へと届くでしょうか、 ああ漂うは溜め息とメランコリ 夕映えの蒼い風 訪れぬ平穏を願い 認めた柔い恋文 夢まぼろしに馳せる想いは いづれ雲を連れ肩濡らすでしょう。

秋空

目が醒めて最初に映る景色が君ならいい 憂鬱な雨の日も 気が重い月曜日も 君のkissひとつで笑顔になれる気がするから ああ、なんて 夢のまた夢 だるい身体を無理矢理起こして 熱い珈琲を飲んだら出掛けなきゃ 色彩に乏しい季節が恨めしいよ 世界は今日もくる…

beautiful bell

かげのうまれるところ ひかりのかえるところ てをつないで さあ、でかけよう (タイトルには深い深い意味がある。たぶん)

冷蔵庫

一度ぬるくなったらもう駄目なんだ 腐ってしまう前に捨ててよね。 もう限界なんでしょ、 沈黙が重くなったらサヨウナラ!

ブルーグレイの憂鬱

立ち上るのは 薄く煙る紫 指先で弄んでは悪戯に絡み合い 鉄格子の嵌まる窓から 手を伸ばして小鳥を捕まえた 愛してたんでしょう?ねえ 安売りされた自分が歯痒いんでしょう? 馬鹿にしないでよ こんなにこんなに綺麗で醜くて大嫌い! 誰もあんたも私を縛らな…

匣舟

覚めないで、醒めないで、 冷たさに丸くなる背を 透きとおる手の平が ああ まだ、気付かせないで 膝抱え眠る 泣かないで、泣かないで、 遠い夏の日の約束を 囁いた唇が ねえ もう、思い出せないよ 夜は更けてゆく 追いかけて、追いかけて、 想いでは絶えない…

輝けるものたちのロンド

ゆく先は知らない 帰る家も知らない ただ、いまここにいる体だけの真実。 ぼくは、わたしは、 ただ仄暗いモノクロームの世界で 離れた手をとりあい踊りましょう。

黎明

願いの数だけ星は流れる 八月の雨のように この光すら絶やすほど尽きない想いを 君はどれだけ知っているのだろうか 時を待っていた 知らず知らず重ねる足あと 振り返り 擦れ違い 求めるだけで叶う希望など無い 踏み出せない一歩の距離だけが永く爪先を隔てる…

玉梓

雨音弾けだす夜更け 規則的に鼓動打つ胸に そっと手を宛て願う 切ない想いの果て きっと 何かの始まる予感 不安と希望と思い出せない昨日にも似て 崩れだす前に 掬い上げて組み立てて欲しいんだ 命で汚れた手を 陳腐に薄汚れた糸で接ぎ合わせて 明日を繋ぐよ

鉄格子

焼け褪せた日び 積み重なる昨日の痕 古びた写真立てが呼ぶのは誰だろう 思い出を並べ 片手間に愛でては 呆気無く棄てて 隙間を埋めるため 新しい空虚を彫る 馬鹿みたいに繰り返すだけ 幸せな気持ちで 不自由に飼われて 悲しみに抱かれる 暖かい、つもりにな…

人魚

洗い流して 全部、この雨に そうしたらまた笑えるよね ただ静かに眼を閉じて 大事なものを大事だと言える尊さ 心が晴れていく こんなに苦しくて 狂おしく愛しくて か弱いその腕で守るものの美しさ この眼で、この耳で、 憶えていたいと思えるもの たった一人…

無題

無数の星たちにサヨナラを 夜毎流れては消える願いに弔いを 乾いてしまう記憶に憎しみと希望を、 終わらない現在に果てない祈りを。 (七夕に寄せてスライディング投稿! というか昨夜のうちに書いたメモより抜粋)

翔ける世界

夢から醒めるたび 強張る肉体に顔を顰める いつからこの腕はこんなに重く この脚はぎこちなくなったのだろう 白々しい眩しさの蛍光灯が 寝転ぶ僕の眼を貫く 窓の外の景色から光が失せたのは何故だろう。

褪せる明日

積み重ねるだけで 振り返りもしないのに あいしてるだなんて 嘘は、吐けない 愛でることもない花を 窓辺に飾り ため息ばかり与えて あかく 染まる 血溜まりに泳ぐ 声を 枯らして うたう 泣いていたぼくを 愛してくれたひとの 名前も声も表情も 憶えてはゆけ…

雨乞い

あめのおとがきこえた 外は夜、明るい星空 うなる機械の吐息はうだるような暑さ 北向きの部屋に足を投げ出して 涼しい風を歌で呼び込む。 あめのおとがあめのおとが 心地いい夢が満ちる 目を閉じるその一瞬まで泣いていた 夏が来る前に長い雨が降るから 傘も…

春.

さよならを言えるしあわせ だって、ね 辛くても悲しくても 別れすら伝わない終わりよりずっと。 後ろ姿だけ見つめさせて 離れていく距離をわかってたい 馬鹿な私に思い知らせてね もう戻れない温度を 追いすがるのは醜いでしょう。 だから綺麗なまま 愛され…

日々萎れていく無数の細胞 この肉体を構成する蛋白質とDNAの二重螺旋 足掻けば足掻くほどに破裂するシナプス 痛覚はエンドルフィンにだまされてゆく。 切り刻んで。 切り刻んで切り刻んで。 流れる血の色だけがモノクロームの世界で色付いて 「綺麗ね。」

moonbow

纏う濡れた空気 雨のにおい 月灯りに架かる虹 夢よりも果敢ないまぼろし、 玲瓏と響く歌 刻んで。 太古の河のように 爪痕は疼くばかりで 忘れられない 思い出せない 空にとけた身体、 倒れ臥した魂、 終わりは幸福か否か。 薄らいで 夜空へ還る 月灯りに架か…

Halcion

焦点の定まらない目線 小さな画面を泳ぐ 青い魚 眠りのその向こうへと 誘う 奪われる思考 絡まる回路 呼吸は温く漂い 浮上するのは苦い記憶たち 捨ててしまえたら どんなに楽だろう この溜め息に溶かして 目を閉じたら最後 二度と戻れなくなりそうな そんな…

滲む

触れられそうな距離を 踏み越えぬように 心の中で線を引く。 これ以上、これ以上、近付けない。 怖いから。…何が? 毒されてしまいそうで 滲んで消えた まぼろしのような決意 崩れてしまうのは 踏みしめた足下で 落下する今日 伸ばした手が掴むのは? 流れる…