駆け抜けた
降り積もる遺灰を振り払い
叫ぶ
誰か、助けて


無音の世界


泣いていた
涙の跡の乾かぬうちに
頬を濡らしたのは
一体だあれ?


褪せた
思い出の色を忘れない
そう思った
あの日をもう思い出せずに
ごめんね、


いつだってひとりで生きてきた
誰もが寂しさを握り潰しながら
認めたくないだなんて頑なになる程
その深さと暗さを思い知るのに


汚い大人に蹂躙された夢を
抱えこんで逃げた路地裏に
子猫のように蹲って ねぇ、
冷たくなってく手足を温めてよ
凍えて死んでしまうその前に



(10/26)