独白


言葉に出さなければこの想いさえ霞んでゆくようで、
だから僕は何度でも叫ぶように呟くことしか出来ずに。
「愛してる」
この胸を支配する想いを表すだけの言葉など知りもしないのに、
「愛している」
けれど他に伝える術を持たない不器用な僕は、
「愛してるよ、」
「誰よりも」
「あなただけを」
「永遠に、」
「愛してるから」
張り裂けそうな痛みを以ってしても抑えることすら叶わない。
あぁ、神様、
もしもあなたがいるのなら。
「どうか」
「幸せに」
「…どうか。」
どうして止めて下さらなかったのでしょう?
こんな想い等、
何も与えはしないのに!
「愛しています」


『楽園にその樹を植えたのは僕でした。』


(いっそ気が触れでもしたのならもっと楽だった。
僕に言葉を与えたあなたを決して赦さない。
そしてどうか、
追い詰めることでしか愛することの出来なかった僕を赦さないで。
幸福を願うことなんて、僕には出来なかった。
この手で愛しい人の首を絞め殺す夢を、
或いは無粋なナイフで赤い狂気を満たす夢を、
数え切れないほど願った僕を、どうか。


あなたになら殺されてみたかったんだ。
きっと今の僕は殺すことでしか愛することなど出来ないだろうから。)