果ての庭


静寂が漂う。
乾いた風と砂の海と、
灰色の空だけが世界に満ちていた。
流れ着く、命と無機物の残骸。


明けない夜と沈まない太陽。
水平線だけを眺めながら幾年月が過ぎただろうか。
こうして世界の最果てで膝を抱えている自分も
いずれ砂の海に還る日があるのだろうか。
・・・この指も髪も心臓も、
いずれは灰色の砂に溶けるのだろうか。
灰色の景色を映すのはやはり灰色の瞳で、
けれど微かに揺れるたび金色に瞬いた。