2007-05-23 果ての庭 memo 静寂が漂う。 乾いた風と砂の海と、 灰色の空だけが世界に満ちていた。 流れ着く、命と無機物の残骸。 明けない夜と沈まない太陽。 水平線だけを眺めながら幾年月が過ぎただろうか。 こうして世界の最果てで膝を抱えている自分も いずれ砂の海に還る日があるのだろうか。 ・・・この指も髪も心臓も、 いずれは灰色の砂に溶けるのだろうか。 灰色の景色を映すのはやはり灰色の瞳で、 けれど微かに揺れるたび金色に瞬いた。