雨乞い


あめのおとがきこえた


外は夜、明るい星空
うなる機械の吐息はうだるような暑さ
北向きの部屋に足を投げ出して
涼しい風を歌で呼び込む。


あめのおとがあめのおとが


心地いい夢が満ちる
目を閉じるその一瞬まで泣いていた
夏が来る前に長い雨が降るから
傘も差さずに紛れて溶け出したい
気づけば泡立つ手の甲を愛しげに眺める
あぁ、このまま海まで還ってしまえたら!


あめのおとは遠雷につれさられ。


明日晴れようが関係なかった
望めばいつも降る雨のまぼろし
甘えて泣いていたのはちいさな自分で
傘を差し出してくれる手か
もしくは一緒に泣いてくれる人を
待ちきれずに、いつしか、


あめのおとが、